物流マンの宿命

残業後の自重トレーニング

物流会社で働いていると、毎日がちょっとした筋トレだ。

荷物を持ち、歩き回り、フォークリフトの音を聞きながら一日が終わる。
「今日はもう十分運動したな。」
そう思って帰宅する。

しかし、家に着くと頭の中で、もう一人の自分が話しかけてくる。

「…で、今日の懸垂は?」

正直、残業した日はやりたくない。
むしろソファにダイブして、そのまま朝を迎えたい。

でも、不思議なもので、懸垂バーの前に立つとスイッチが入る。

1回…2回…。
腕がパンパンだ。

「これは今日運んだ段ボールのせいだ。」
と、仕事のせいにしながら続ける。

腕立て伏せ、スクワット、ランジ。
特別な器具はない。
あるのは疲れた身体と、少しの意地だけ。

物流会社の人なら分かると思う。
仕事で鍛えられる筋肉と、自重トレーニングで鍛えられる筋肉は、なぜか別腹なのだ。

そしてトレーニングが終わる頃には、残業でイライラしていた気持ちも消えている。

「今日も自分に勝った。」

そんな小さな達成感が、明日の仕事へのエネルギーになる。

もちろん、明日も残業かもしれない。
でも、そのあとに懸垂1回でもできたら、それは立派な勝利。

物流マンにとって、本当のライバルは重い荷物じゃない。

仕事終わりに、
「今日はやめておこう。」
とささやく、自分自身なのだから。

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